三上クニ・WE THREE TRIO オータムツアー'07

10月15日(月)

東京渋谷アリマックスホテルに満員のお客様。多くのお馴染の顔ぶれが、我々を迎えてくれました。ドラムに売れっ子の吉岡大輔さんを迎えて、私と相棒のベース・高梨道生、3人のフレッシュなサウンドが生まれたようで、好評でした。また、今日は千葉テレビ用の収録でカメラが入り、ディレクターのM氏が気に入ってくださったようで、リハーサルと本番の最初を少しだけ収録する予定が、結局最後までカメラを廻してくだれました。11月2日の放映が楽しみです。素敵な初日を共に作ってくれた聴き手の皆さん、ありがとう!

10月16日(火)

甲府の老舗「アローン」、ジャズと関わって40年以上のオーナー、野口さん。これまでにレイ・ブライアントやデューク・ジョーダンなどのジャズの巨匠が演奏しているこのお店に出演出来て、光栄でした。ここからは長谷川明彦がドラムです。

「たたき上げの味だね」10月16日 演奏

A列車で始まった三上クニトリオ! 今夜は最高のジャズナイトになる予感。 三上クニのピアノは、俺が今まで聞いたジャズの中で あァこれだな おちゃめでグルービーで品があってちょっと悪が入って。そんな感じがまさにピッタリのピアノトリオ。 最近ちょくちょくアローンのライブに来てくれるO先生が、奥様を連れて来ていただいたんですけど。二人の会話を小耳にはさんじゃったりしたらね。3曲目のジャズの定番の『枯葉』のさわりの部分で“いい感じだネー”なんて顔を見合わせて話しているんですよ。こんな会話が小耳に入ってきたひにはジーンときちゃうんですよね。微笑ましいしネ。ライブっていいな やっぱり。演奏の間のちょっとした会話も、ニューヨークの街、地下鉄、ライブハウス、なんかの気の利いたおしゃべりで、ステージを進行する三上氏もとってもよかった。 又来年、来日する時は、是非アローンでライブ宜しく。

(アローン店主・ブログ http://jazz-in-alone.com/blog/

10月17日(水)


竹田邸にて

有松・竹田邸。昨年に引き続き「有松絞り」の旧家でのコンサート。木造の蔵にアコースティク の音が美しく響く。

昼間はご婦人方、夜には男性の聞き手が多い。休み時間には皆さんに「取 れたて秋刀魚」「牡蠣・貝」「舞茸テンプラ」「新潟新米オムスビ」「プチ・ケーキ」すべて手造りの、 食べきれない程の料理が振舞われ、我々も秋の味覚のご相伴に与る。毎日、単調な食事となり がちなツアー中の我々にとって、これほど嬉しい食べ物は無い。NYでは冷凍サンマしか味わえない私には、刺身に出来るほど新鮮な秋刀魚の炭火焼は今回のツアーでも最上の味覚体験となった。

2年前、NYで「絞り」の展覧会を開催していた竹田耕三氏と偶然、お話する機会が有ったのが キッカケとなっているのだから面白い御縁だ。

10月18日(木)

中津川・マジョリカ。名古屋から1時間、マジョリカは洒落たレストラン、演奏は隣のライブハウス「Bamboo」。高い天井と良い設備のお陰でアップライト・ピアノがグランドのように響く。演奏前に食事、パスタや地野菜のサラダなど全ての料理が手作りで「丸く優しく最上にバランス良く」「レストランの質なのに家庭的な味」という素敵さ。加えて自家製のケーキが極上。適温の保存ケースといい、食器の選択といい、オーナーの宮内さんのセンスが随所に光る。こんなに美味しい、嬉しいお料理をいただいたら、それにお応えして極上の演奏に努めなきゃ・・という気持ちになる。 さて、演奏はどんな出来だったのか?演奏中にオーナーが知人たちに電話をして2回目のステージへ、と誘ってくれていました。

10月19日(金)

岡崎・サテンドール。昨年に続いてこのシックな内装のジャズクラブでの演奏。雨にも関わらず、いらしてくださったお客さん達に我々のジャズが楽しんでいただけたようだ。有松の演奏が良かったからと再度いらした方々もいて嬉しかった。

10月20日(土)

長島・ジャズドリーム。名古屋から30分、日本一大きいというアウトレットでの演奏は午後2時からなので10時ごろ行って、買い物に繰り出す。洒落た靴を半額で発見、高梨と三上が購入する。またまた衝動買いである。演奏は野外で、お子様からおじいさんまで幅広い観客、何の曲を演奏するか戸惑う。「枯葉」「ミスティー」などお馴染のスタンダード曲と軽快なスティービー・ワンダーの曲をご披露する。 明日はオフなのだが、演奏後、明日も単独で仕事の有る高梨だけ新幹線で東京に戻る。お疲れ様。

10月21日(日)

オフ。高梨は東京、横田マネージャーはホテルで休むとの事。三上と長谷川は名古屋から名鉄電車で1時間、沢山の西洋館が保存されている「明治村」へと向かう。建物群の中でも驚いたのはフランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテル玄関とロビー。


明治村・帝国ホテル玄関

明治村・帝国ホテル玄関 彼の意匠が建物外観のみならず室内随所に散りばめられ、我々はさながら芸術作品の中に踏み込んだ小人に成ったような印象である。ここまで凝るのか、という感嘆。ライト自身、建設途中にあれこれ変更を要求して、最後には施主とケンカ別れになったという完璧主義者だったようだ。イスや家具、食器に至るまで彼のデザインというから、アメリカの魯山人だな。駆け足で園内を見たので3時の高速バス名古屋駅行きに間に合う。これなら乗り換えなしで、しかも運賃も安かった。 夕食は横田マネージャーが合流し名古屋名物、ウナギの「ひつまぶし」!こりゃ、うめぇわな。

10月22日(月)

午前中、三上はFM愛知に出演のため収録へ。DJの内藤さんの絶妙のトークに乗らされて色々とおしゃべりをする。オンエアされるのが楽しみだ。夜のライブはモダンなインテリアのクラブ「Doxy」、毎回甘い物を差し入れてくれる東京で御馴染みだったTさん、名古屋に転勤で今回はここでお会いする。嬉しい再会だった。

10月23日(火)


一祥庵での演奏

今日は焼津から30分の「一祥庵」。お蕎麦屋さんと聞いていたが、実は江戸時代から続く由緒ある旅籠、白石の敷き詰められた中庭には当時の大名の籠が展示されている・・・ので乗ってみる。見た目以上に広くて、背もたれもついていて座り心地も良い。美味しい食事込みのコンサート、ジャズ通の方から初心者まで60名近くの皆さんが集まってくれた。 一祥庵での演奏 ジャズのレコード・CDコレクションが1万5千枚!という静岡の横山さん、ジャズに関する御自分の著書を下さる、これからのツアー中、楽しく読ませていただくつもりだ。

【お客様からの感想】 夕べは楽しくも癒された夜でした。ピアノトリオでのジャズがとっても心地よかったな~!演奏中にドラムに指示してるのがジャズっぽくて自由な楽譜のない音楽(これがジャズなんだけど)にこれまたあの空間で演奏者とお客さんが近くいからこそ感じられるところだったな~!次はどんな曲がジャズになるのか?そんな楽しみも来年といわず半年後にまた来てもらいたいな~と思いました。

一祥庵・中庭にて

一祥庵での道中、お馬鹿さん達

10月25日(木)

大久保にある東京交響楽団の練習ホールでの演奏。ここはオーケストラや合唱団用の大きな場所、コンサートの為にここを借りたバンドは我々が初めてだという。若手のホープ!伊賀拓郎くんと三上がカワイとスタンウェイの2台の巨大なコンサートグランドで共演する。今年22歳になる伊賀君は余裕を持って私のフレーズと絡んで遊んでくれる。なかなかの度胸だ。将来有望である。ドラムは20年ぶりに再会した佐々木豊氏。うねるリズムが心地良い。 広い会場を埋めてくださったお客さんも、珍しい2台のグランドピアノでのジャズ演奏をお気に召してくれたようで、嬉しい感想が多かった。

10月26日(金)

阿佐ヶ谷「ウイング」。通常は喫茶店ながら昨年の我々の演奏を機にカシオのプレビア・ピアノを使用して時々ライブを行なっている。今回は阿佐ヶ谷ジャズストリートの催しの一環である。今日と明日、沢山の会場でジャズの音が響く。雨の中、満員御礼の2ステージでした、皆さん有難う。

10月27日(土)

昨日に引き続いて阿佐ヶ谷、こんな時期だというのに台風の影響で大雨・・・にも関わらず会場は満員である。今日はバイブの有明暢子さんと高梨とのトリオ。彼女は反応が早く、フレーズも的確なので私もピアノで自由に遊べて楽しい。評判も上々でCDの売れ行きも良かった。

10月28日(日)

台風一過の晴天、暑い程の気候だ。群馬県庁の1階にあるG Face Cafe(Gunmaの顔)。とてもお洒落な内装、40歳というピアノも快調な響き。梨園の関口さんを始め、お馴染みさんも含めた満員のお客様で嬉しい。オーナーの小豆畑(あずはた)氏は私の好きなNYのレストラン「バスタ・パスタ」のオーナーとお友達との事で奇遇に感ずる。


G Face Cafeでの演奏

黒磯 Time's Cafeのママさんと

10月29日(月)

那須高原近く黒磯のジャズクラブ「Time’s Cafe」。昨年に引き続き2回目の出演である。地元でジャズを推進しているお医者さん、福嶋氏を始めジャズ好きのお客様で満員となる。アンコールではこの店のママもボーカルで参加、軽妙なスキャットを披露してくれた。

10月30日(火)

日光・渡邊佐平商店。「日光誉・清開」という銘酒の製造元の蔵での演奏、演奏会場の二階の床下には原酒の製造タンクが置かれているから、良い演奏で酒に良い影響を与えないと申し訳ない。お客様は幼児からお年寄りまで、地元の記者が「酒蔵でジャズ」に興味を持ってくれて事前に新聞記事になったので、満員である。前列の人達が演奏に合わせて足でテンポを刻んでくれているのが嬉しい。 ここの七代目店主は有松の竹田さんの友人との事、蔵ネットワークだ。ここで造られる純米大吟醸には醸造アルコールが添加されていない!素晴らしい飲み心地だ。


日光・渡辺佐平商店

パリンカの皆さんと。中央下がオーナーの小関さん

10月31日(水)

仙台・パリンカ。伊達政宗公の霊廟のふもと、霊屋下にあるこのレストランには50歳のグランドピアノ、通常はクラシック演奏が多いというせいか、とてもバランス良く甘く美しいチューニングがされている。その調律の方も我々の演奏を聞いて下さる。演奏後は素敵なオーナーシェフとスタッフにより、それぞれに一味、工夫が施されていて楽しく美味しいイタリア料理がお客様と演奏者に振舞われた。

11月1日(木)

蔵オビハチの方たちと

すっかり秋景色の山形・蔵オビハチ「灯蔵」は素晴らしい内装で、ピアノも音響もゴキゲン!百年前の蔵に丁寧に手を加えてモダンなライブスペースとなっている。オーナーの素敵なセンスが随所に光り、心のこもった温かい料理で人々を迎えてくれる。こじんまりした印象の街なのでお客さん来て頂けるだろうか?と心配したのだが場内は満員、ジャズ好きの方が多い。アンコールも2曲、皆さんと一緒に我々も楽しんだ一晩だった。

11月2日(金)

山形から一路、東京へ5時間。千葉TV生出演の為、三上と横田マネージャ ーは途中下車でJRに乗る。午後9時からのニュースでキャスターのきゃんひ とみさんのインタビューだ。渋谷アリマックスでの演奏風景がコンピューターで映像処理されて音楽ビデオのように格好良く放映される。 夜10時終了、長い一日であった。


span>Salaamで(大きなスピーカー2台)

ドラムの山下暢彦(富士山)・高梨(ライオン)

11月4日(日)

四日市・Salaam。何と素敵なライブハウスでしょう!私の若かりし頃のジャズ喫茶に有ったような巨大なスピ-カーととても高い天井に我々の演奏が心地良く響き渡ります。新築5年目なので室内は木の香がします。今日からドラムは山下暢彦さん、高梨の古くからの仲間です。ほとんどリハーサルなしでも軽快にスイングしてくれました。

11月5日(月)


紗羅餐社長、店長と

紗羅餐社長、店長と 名古屋・紗羅餐(さらざん)。ここも何と素敵なスペースでしょう!お蕎麦屋さんというより蕎麦料理レストランと称したい位、洗練されたモダンな内装です。ゆったりとした室内でお客さんたちに蕎麦懐石と我々の演奏を楽しんでいただきました。CDの売れ行きも好調です。 社長さんの御令嬢はニューヨークでメイク・アーティストの勉強中、いつかマンハッタンで出会うかも知れませんね。

11月6日(火)

相模大野・ラシェット。谷口英治さんがゲストに加わり、お馴染のジャズのスタンダード曲とあまりクラリネットでは演奏されないファンキーな曲を共演しました。昨年同様に味のある技で、その日に名古屋から戻ったばかりの三上、高梨、山下にも元気を与えてくれました。

11月7日(水)

オフ。休みなので昼過ぎまでホテルで寝ている。ここ小田急ホテルセンチュリー相模大野は私の大好きなホテルだ。ベッドが大きいしチェックアウトも昼12時、設備も可愛いし、有線が440局から選べて、日長、部屋に落語を流しておけるし、バスルームにもスピーカーが設置されている。隣接のブロッシュ・ボワでランチ。1800円で大満足の「フランス地方料理」、働く人もキビキビとして、男性はオールバック、女性は後ろで束ねた髪型で統一、その昔の高級料理屋を髣髴させる。最後のエスプレッソに変則に頼んだミルクが温かくされている、という気配りだ。前菜、スープ、メインとデザートの1皿ずつ勿論、美味しい。ジャズの演奏曲順の組み合わせもこんな風に行かないもんかなぁ・・としばし考えさせられた。

11月8日(木)


FM喜多方スタジオ

喜多方・大和川酒造蔵。今日からドラムは再び若手の吉岡大輔くん。東京から6時間、途中、FM喜多方に3人で出演したので会場到着時にはすでに演奏開始が迫り名物ラーメンを食べる暇が無い。今回の蔵は 今までの何処よりも広く大きかった。素敵なカワイのグランドピアノ。ここは「岩代」「今朝の酒(年1日のみ発売)」等の旨い酒の作り手だ。 演奏後の街はすっかり寒い北国。(高梨とドラムの大輔はリハーサル後にちゃっかりラーメン屋さんに行っていたとの事)

11月9日(金)


西宮家入り口

角館・西宮家。江戸時代から続くこの旧家は、現在は株式会社として運営されている。レストランとなっている可愛い蔵の中での演奏、満員のお客様、ジャズ好きの方も多く、社長さんもジャズ愛好家との事、リクエストの声もかかるし手拍子のリズムも皆さんなかなかのもの。楽しい晩となった。

11月10日(土)


ゆい工房でのサイン会

盛岡・ゆい工房は岩手県産の木材を使って家を建てる建築会社、その敷地内に蔵がある。内装はお手の物という訳で、色々な用途に使えそうな室内だ。2階の会場は座布団なのでお客さんはどんな具合にスイングしてくれるのかな?と懸念したが皆さん、我々の音と共に上体を動かしてくれていた。青森で知り合った整体師の方が来てくれた。そして御茶ノ水でお目にかかった医療の先生も。実はこの土地で開業しているという驚きの再会があった。 お世話になった社長さんを始め、社員の方々に感謝

11月11日(日)

松島・むとう屋。3年ぶりの再訪、蔵を利用した老舗の酒屋さんに満員のお客様。看板娘の華子さんは今年結婚されたが、お店の仕事は続けているし、ご両親も健在で嬉しい。仙台のピアニスト片倉さんや毎回、応援してくれる熱海さんのお顔もある。宿泊は海の見える温泉ホテルの三人部屋、修学旅行気分で演奏後に大浴場に入る。

ニューヨーク在住30年、デューク・エリントン楽団をはじめ、数々のビックバンドで演奏を続け、国際的に活躍するピアニスト・三上クニが率いる大人のジャズ・ピアノ・トリオ いよいよ夕べ、ジャズライブが開催されました!!!たくさんの皆様が集まってくださり、おかげさまで大盛況 とにかくよかった・・・聞くほどによくなって、心地よくなって、感動的でした。来れなかった方、本当に残念(涙) 「小さい秋見つけた」など日本の名曲をジャズにアレンジしたのも、切なくて、懐かしくて、あったかくなるような音の流れ。 見ている人も真剣に聞いてくれてました。 石原裕次郎さんの「嵐を呼ぶ男」「シング!シング!シング!」も演奏してくれて。 というか・・・音が違う。 しみわたるようにそれぞれの音楽がしみこんでいく。 演奏している人の表情も嬉しそうで、こちらまでにこやかになる。 お客さんが楽しんでいるのが背中から伝わってきました。 最高の時間でした。

ジャズはやっぱり生演奏がいいですね。(むとう屋ブログより)

11月12日(月)

三戸郡・東門。晴天の松島を出発、北上して行くと雨雲が前方に広がり、八戸市は大雨であった。台風のような暴風雨、土砂崩れも生じているというTVニュース。会場は真っ暗な山の中、カーナビが無ければ到底到着は不可能だった。会場は中央に大きな栗の木が大黒柱と成っている吹き抜けの高い天井、ステージ両脇には私の人生で目にしたどのステレオよりも大きい80Cmの大スピーカーが2台。「いや~、ほんの趣味で・・」というオーナー、これはどう考えても趣味以上でしょう。 大雨の中にも関わらず、室内はお客様で2/3ほど埋まる。実に有り難く、演奏にも気合が入る。高梨と今は地元に戻っているピアニストとの20年振りの再会劇もあった。 演奏後は昨年八戸を訪れた時に味をしめた知る人ぞ知る寿司屋さんへ。今年もお世話になった本木さんらに感謝。


神秘的な寺下観音敷地内

オーナーの奥様と

11月13日(火)

黒石・こみせん。前日と打って変わっての晴天の中、忘れ物を取りに「東門」へ戻る。明るい所で見るとお店のすぐ横が「寺下観音」。1200年前から存在するというこの神仏混合の神の聖地、お店のオーナーの桑原さんは宮司、何代にも渡ってこの地を守っているとの事。昨日、高梨と再会があったHさんもこの地に関係の深かった武士の子孫、という事で不思議な縁を感じさせる。竜神様と白蛇様の神秘な印象。 昨日の雨で通行止めの可能性を考慮して、遠回りながら高速道路を使い、2時間で黒石に到着。「こみせ」という雪を防ぐひさしの張り出した町並みが特徴で、名物は焼きそば、なかでも丼のスープに入った「つゆ焼きそば」は面白い。近々、インスタント食品としても店頭に並ぶらしい。 会場はグランドピアノと音響設備の整った蔵に満員のお客様。近くのジャズの店「5スポット」からもオーナーを始め7名が応援に来て下さる。急遽、演奏後の打ち上げはその店でと決まった。乗りの良いお客様ばかりで「アンコール!」が2曲も飛び出した。ドラムの吉岡大輔氏も絶妙な間合いでスイングさせてくれる。


こみせん蔵の壁画

11月15日(木)

舞浜・イクスピアリ。14日は白河に泊まり、今日、東京に入る。演奏会場はディズニーランド敷地内のクラブである。とても親切なスタッフが丁寧に我々の希望に応じてくれる。集客が難しいと聞いていたのだが、私の家族や旧知の友人たちも大勢集まってくれて、広い会場は良い感じに埋まりホッとした。ステージ上でスポットライトを浴びながら汗だくの演奏、ある御夫妻に「結婚30周年の素晴らしい思い出と成りました。」との感想を頂く。

11月16日(金)

新潟・ジョイアミーア。今回は地元のミュージシャンとの共演で、ドラムは斎藤ナオさん、ベースは阿倍國男さんである。ナオさんは今年前半しばらくNYに滞在していたので、今回の共演話がまとまったものである。新幹線で2時間、新潟は近い。ジョイアミーアは、数年前に演奏した時よりステージが広くなり、照明や音響も完備されていた。美人のオーナーも御健在である。ピアノは柔らかく弾けるスタンウェイ、地元の二人のミュージシャンの熱演に支えられて無事、終了した。

11月17日(土)

沼田・榛名神社のロイヤルホール。新幹線で上毛高原下車、主催の熊切さんに迎えてもらい神社内にある会場へと向かう。コンサートには70名位のお客様、ベースは高梨、ドラムは佐々木豊のメンバーで楽しく演奏。新潟より寒い沼田では、会場にストーブが入った。打ち上げは近くの料理屋でたらふく頂く。

11月18日(日)

芝パークタワープリンスホテル。寒い沼田を出発、2時間で東京タワーの見える芝公園へ到着、暖かい。ちょっとお高いディナーショーにもかかわらず1階にある洒落たライブスペースはお客様で埋まり、今秋の最終公演にふさわしい雰囲気となった。 前回は船上コンサートを企画してくれた五島トラベルさんのおかげである。ありがたし。佐々木・高梨・三上の3人の息も合ってク リエイティブな演奏が展開された。


神沼田のレトロな控え室(佐々木豊・ドラム)

芝・パークタワーホテル

今回は各地の蔵でたくさん演奏した。昔からある建物が綺麗に改装・保存されてギャラリーや催し物会場へと変身している。内部の大きさやピアノの種類もまちまちだが、木造・漆喰壁で高い天井の造りに我々のピアノやベース、ドラムが心地良く響くという点が共通している。コンクリートの建物では出ない、素晴らしい反響音で蔵はアコースティクの音楽に最適だ。蔵は入り口の防火用の工夫や梁の渡しなど昔の知恵の凝縮された建物でもある。是非、多くの蔵を保存し活用していただきたいものだ。

今回のツアーではドラムに、長谷川明彦、吉岡大輔、山下暢彦、佐々木豊の四名を起用、新しいトリオの音を模索した。どのドラマーも自分なりの個性的な創意工夫を加えてくれて、とても刺激的で面白く演奏が出来た。次回も楽しみである。(文責・三上クニ)


熱演の真似、東門にて